モンスターペアレント
学校の産業医の仕事をしていると、教職員の方々の大変さがわかります。子どもに教えなければならない内容は多様化し、教材研究は子どもたちが帰った後です。休日も部活の指導をしなければなりません。それでも、子どもへの対応は、何の苦にもならないと教員の方々は言われます。しかし、教員を攻め立てて、休日、夜間でも対応を要求する保護者とのかかわりは、とても疲れるようです。
確かに、教員も、完璧ということはないのかも知れません。
私の子どもは、まだ1歳になる前に、自宅の階段から落っこちて、生えたばかりの前歯を2本、折ってしまいました。その時、子どもを完璧に守ってやることなんてできないと痛感しました。
そして、子どもは2歳を過ぎてもおむつをしていました。もしかしたら、発達の遅れがあるのではないかと心配しました。しかし、保育園に通うようになったら、あっと言う間におむつが外れました。
その後も、子どもは私から離れて、私の知らない学校の先生や友達に出会うたびに成長していると思います。
私の子どもを担当してくれた学校の先生方は、必ずしも完璧ではなかったかも知れませんが、子どもは、そこから多くのことを学ばせていただいているのだと思います。
私は、精神科医ですが、必ずしも自分の子どもに適切に接することができているのか分かりません。だから、先生方にはとても感謝しています。