これも椎名ストレスケア研究所の椎名先生と本を出版しようとしていた時の、あるデパートの店員さんの話しです。

「デパートには良くお年よりが買い物に来ます。そして、お年よりはよく店員である私に話しかけてきます。話をしてみるとその人は今日、私としか話しをしていないといいます。人の温かさを求めて、買い物に来るのです。会話を少しでもしてくれる店員さんのレジを選んで、ほんの一言。ほんの一瞬の笑顔をもらいに来ます。私も一生懸命にそんな気持ちにこたえようと仕事をします。でも、お店の監視カメラの向こうからは「効率」という機能優先の冷たい銃口が私のほうに向けられているのです。高機能な人が素晴らしいなら、うつのひともお年よりも赤ちゃんですら社会には必要ありません。最後には機械が残り、人間すら必要ありません。うつはそれを伝えようとしているメッセージなのかもしれないと思います。」