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雨ニモマケズ 風ニモマケズ

[2022.08.30]

季節の変わり目になると、雨の日が多くなり、温度、湿度、気圧の変化から体調を崩す人が増えます。そして、「この季節は辛いんです、何とかしてください」と私に言います。そうした症状は、自律神経失調症状ですので、私は、それに対応する薬を処方することもあります。

しかし、最近、ふと、大昔、農業社会だった頃、雨の日に、人々はどのような生活していたんだろうと想像しました。
きっと、「今日は雨だね」と言って、農作業をあきらめて、家の中で静かにしていたのではないでしょうか。

そもそも、雨が降ろうが、風が吹こうが、何としてでも出勤し、通学し、仕事して、勉強しなければならないという現代社会が間違えているのではないかと。

宮沢賢治の「雨ニモマケズ」は、かくあるべしと教訓的に解釈されている場合が多いようです。しかし、宮沢賢治自身は病弱だったと聞いています。そして、この詩は「サウイフモノニ ワタシハナリタイ」と結ばれます。宮沢賢治が言いたかったことは、強くて、おだやかで、質素で、かしこく、優しく、貢献できる理想的な人間でなければならない、ということではないのだと思います。

人間は、理想的にありたいと思っていてもなかなかそうはできない、それでいいんだよ、と私たちを励ましてくれているように感じます。

雨や風の日には、休めばよいのでしょう。

 

 

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