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技術革新

[2019.12.15]

先日、携帯電話会社から、今使っている古い携帯電が使えなくなるという通知が来ました。より良い通信環境が実現されて、高音質の通話サービスが提供されるので、古い携帯電話は使えなくなるのだそうです。

私は、今使っている古い携帯に何の不自由も感じていませんので、買い替えることを強制されたと感じます。

私は、新しい技術を拒否しているのではありません。本当に必要性を感じるものは積極的に生活に取り入れているつもりです。しかし、IT業界のあり方に疑問を持っています。

個人の端末というプライベートに入り込んできて、便利さを装って、自動で勝手にバージョンアップして、要らないサービスや商品を売りつけようとします。まさに押し売りです。

以前、その先端技術を開発する仕事をいている方がうつ病になり、私の外来を受診したことがあります。

新しい技術の開発にしのぎを削っていて、自宅から遠く離れた研究所に何か月も泊まり込んでいるそうです。緊張の日々の連続で、眠れなくなって、寝酒をするようになって、ますます気分が落ち込んで、働けなくなって、来院されました。私は、先端技術の開発はとても大変なことなのだと思いました。

近いうちに、私は、必要性を感じない、新しい通信サービスの購入を強制されます。その新しい技術を開発している人たちは、おそらく、家族との時間や大切なプライベートな生活を犠牲にしているのではないかと思います。

失われている幸せと、得られる利便性は、つり合いが取れているのでしょうか。少なくとも、私は必要性を感じていませんから、支払う対価が大きすぎます。

携帯電話に必要なレアメタルを巡って紛争も起きていると聞きます。さらに過剰に生産して消費することは地球環境問題にもつながっています。

この無限に続く技術革新競争が、本当に人類の幸せになっているのだろうかと思いす。

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