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良くなろうとすること

[2020.03.27]

気持ちが落ち込んで眠れなくて苦しい時には、気持ちに余裕がないから、また、考えが混乱しているから、ご本人は自分が具合が悪いということにさえ気が付かないかも知れません。

多くの患者さんたちは、周りの人に勧められて受診します。そして、本当は精神科や心療内科になんて受診したくなかったんですけど、とおっしゃいます。確かに、医療機関に行くのが好きな人なんて困りますから、来たくないくらいがちょうど良いのだと思います。

調子が良くなると、自分が具合が悪かったことに気づくようになります。そうすると、もっと良くなろうという取り組みがはじまります。

そして、周りの人も、「早く良くなってね」なんて声をかけます。

しかし、「良くなる」ということは、現状の否定でもあります。「良くなってね」なんて声をかけることは、「今のあなたはダメですよ」と言っているのと同じです。そして、自分自身が現状を受け入れられず、周囲にも現状を受け入れてもらえないことが、焦りを生み、苦しみを増大させてしまうことがあります。

あまり良くなろうとしないことが、回復するコツかも知れません。

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